明日に架ける橋を弾いた二人の男

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中学生だった頃、そんなに親しい友人ではなかったが、何かの拍子で大勢で彼の家に押し掛けたことがあった。

団体行動の苦手な自分が、多くの友達とつるんでいたとは思えないのだが、そう記憶している。

当時、ピアノがある家は、裕福な家庭だったと思うが、彼の家にはピアノが置いてあった。

誰かが、お前弾けるのかというような挑発的なことを言った。

彼は、大勢に押し掛けられ迷惑だったのだろう。弾いたら帰ってくれよという空気感を醸し出し、音楽室でちょっと弾ける子達が弾くような猫踏んじゃったではなく、サイモンとガーファンクルの明日に架ける橋を弾いた。

学校の授業以外できちんとしたピアノ演奏を聴いたのが初めてだったので、とても新鮮に感じられたし、見た目さえないと思っていた男が、さりげなく、普通に明日に架ける橋を演奏したので、自分だけでなく、その場にいた友人たち誰もが、彼をカッコいいと思ったに違いない。

カッコイイ男は、ピアノで明日に架ける橋を弾くということを理解したのだった。

会社の上司にピアノが弾ける男がいた。

何事も自信満々で、いわゆる仕事の出来る男で、二枚目ではないので、女性にモテたかどうかは分からないが、男性には人気があった。

ある時、誘われて飲み屋に行くとこじゃれたお店で、ピアノが置いてあった。

誰も演奏など聴きはしないと思うが、大衆の前でピアノを弾くというのは、それなり自信がないとできない。

弾いてほしい曲があるかというので、何人かがリクエストし、自分は明日に架ける橋をリクエストした。

1曲のみの演奏であったが、能ある鷹は爪を隠しもせず、明日に架ける橋を演奏した。

橋といえば、唯一、橋を見るために出かけたのが錦帯橋である。

入橋料がかかることを知らなかったので、橋の素晴らしさより、入橋料のことが気になってしまった。